(S11HT)
(H11T)
イーモバイルから、3月28日から開始する携帯電話サービスについての発表がありました。音声端末として用意されたのはスマートフォンの「S11HT」(HTC製)と普通の携帯電話の「H11T」(東芝製)。S11HTはSIMロックフリーで、海外では現地オペレータのSIMが利用可能です。またH11TはDoCoMo網とのローミングに対応し、イーモバイルのエリア外でDoCoMo網を利用することができます。ただしローミング地域は決まっていて、たとえば札幌市内は対応しない(地下街などイーモバイルの圏外でもDoCoMo網はつかまない)、DoCoMoローミング時は定額対象外であるなどに注意する必要があります。
で、料金ですが、従来とは逆転の発想で、電話の基本使用料がなんと0円!ただしデータ通信基本料が1000円かかるという仕掛けです。また、別途月額980円を払うと、イーモバイル同士の通話が24時間無料になるサービスもあります(発信側がDoCoMoローミング中は対象外)。さらに、別途イーモバイルのデータカードを「データプラン」(ギガデータやライトデータではなく「データプラン」)で契約している場合、さらに1000円割り引くという太っ腹ぶり。
iモードやEZweb、Yahoo!ケータイに相当するサービスは「EMnetサービス」として月額315円で提供されます。Webアクセスと「emnet.ne.jp」ドメインのメールアドレスが使えます。
...さて、少し頭を冷やして、このイーモバイルのプランがお得なのかどうか考えてみることにします。まず携帯電話を単体で(Webやメールを含めて)使う場合、データ基本使用料1000円+電話基本使用料0円+EMnetサービス315円=1315円が最低の料金となります。ここから電話は従量制、データ通信は上限4980円までとなりますので、仮にデータを上限まで使いきり、電話を一切しない場合には4980+315=5295円となります。また電話は青天井になるので、仮に電話を1ヶ月に30分発信したとすると、電話料金は単純計算で18.9(円/30秒)×2×30 = 1134円、データを一切使わなければ基本使用料との合計は1315+1134=2449円となります。
比較対象として、ソフトバンクのホワイトプランに登場してもらいましょう。基本使用料980円+S!ベーシックパック315円=1295円が最低の料金となります。ソフトバンクにしかメールをせず、また電話についてもソフトバンク相手に1時〜21時までしか使わなければ、この最低の料金ですむ計算です。ただし、パケットについてはパケットし放題を上限まで使い切ると4410円かかるため、この場合の合計金額は1295+4410=5705円となります。またソフトバンク以外への通話を1ヶ月に30分発信し、パケットを一切使わない場合、電話料金は21(円/30秒)×2×30=1260円、合計で1295+1260=2555円となります。
上記同じ色の金額に注目してください。細かい要素を割愛して概要をざっくり比較する限り、同じような使い方をしたときのソフトバンクとイーモバイルの料金は拮抗しており、イーモバイルの「基本使用料無料」がいうほど安くないことがわかります。イーモバイルの料金体系は、ソフトバンクと同程度の実を取りつつ、発表のインパクトを強める、非常にうまいやり方だと思います。
現実問題として、イーモバイルはエリアの点においてまだ「1台目」にはなりえないでしょう。その意味で(いろいろ異論があるとはいえ)全国ネットワークを完成させているソフトバンクと同じ程度の料金ですので、「PCデータ通信が定額」「980円余計に払えばイーモバイル同士24時間定額」という点に魅力を見出せなければ、それほどお得とはいえないのではないでしょうか。
「お前はどうするか」って? そうですねえ。私はFOMAの時もVodafone3Gの時も、わざと未完成の段階で購入して、ネットワークが完成していく過程を楽しむという変な趣味の持ち主なので、イーモバイルに手を出してしまうかもしれません(すでにD02HWには手を出してしまいましたがw)。手を出すとしたらS11HTを買って、Webアクセスはイーモバイル、電話とメールはSoftBank、iD用にDoCoMo、その他いろいろ用にauと使い分けると思います。まあ端末を持ってみて感想が変わるかもしれないし、もう少し考えてみることにします。
地味にデータカード用にも新プラン「スーパーライトデータプラン」が発表されています。年とく割・新にねんで最低1000円〜最高4980円のプランです。1000円で使えるデータ量が3MBほどしかないので、実質「寝かせ」用プランですが、何気に上限が(通常の)データプランと変わらないので、イーモバイルの音声端末を持たないならばスーパーライトが文句なくお得です。音声を持つ場合は、スーパーライト(1000〜4980円)+ケータイプラン(1000円)とケータイプランデータセット(ケータイ0円+データプラン4980円)のどちらにするか悩ましいところです。
SoftBankといいイーモバイルといい、最近の携帯電話の面白いところは新しい会社から出てきているように思います。これに刺激を受けて、DoCoMoやauも面白いサービスをどんどん打ち出してほしいですね。